終戦記念日特別企画 ピアノソナタ「月光」による朗読劇 月光の夏
太平洋戦争末期の昭和20年初夏、音楽を愛する学徒出身の特攻隊員ふたりが学校に駆けつけ、今生の別れにベートーヴェンの「月光」を弾き、沖縄の空に出撃していった……。
生きたくても生きることが許されなかった青春を描いた名作が、また北沢タウンホールに帰ってきました。情感あふれる演奏スタイルで内外から高い評価を受けているピアニスト・仲道祐子さんと、4人の俳優によるドラマ・リーディングは必見です。
| 【詳細情報】 |
| 出演者 |
ピアノ/仲道祐子(3ステージとも)
朗読/(13日)岸並万里子 江上梨乃 能登剛 南保大樹、(14日)山田珠真子 古田美奈子 小高三良 能登剛、(15日)矢野泰子 安田扶二子 小高三良 南保大樹 |
| 日 時 |
8月13日(月)19時開演、8月14日(火)14時開演、8月15日(水)12時開演 |
| 場 所 |
北沢タウンホール |
| 入場料 |
一般3,000円 高校生以下1,000円 (日時指定・全席自由) |
| 申込み |
北沢タウンホール事務室 tel 03-5478-8006、劇団東演 tel 03-3419-2871 |
館長後記 |
観客の一人として初めて北沢タウンホールの舞台を観たのは昨年の8月でした。4月に館長として赴任以来、忙しさにかまけて舞台はおろかモニターさえ落ち着いて観たことがなかった私に、「観たい!」と思わせたのは事務室の小さなスピーカーから聴こえる妙なるピアノの旋律でした。
「誰が弾いているんだろう?」そうスタッフに聞くと「仲道祐子さんです」との答え。「えっ、うちのステージに仲道さんが上がっているの!?」
30秒後に私は客席最後列に座っていました。仲道さんの『月光』は、もちろん素晴らしいものでしたが、それにもまして舞台の朗読劇にぐんぐん惹き込まれていきました。
私がこの世に生を受けたのはちょうどこの物語の時代です。戦中こそ記憶にありませんが、殺伐とした戦後の混乱期は幼児体験として身体に染み付いています。ふと気がつくと私は夢中で拍手していました。
あの時代に逆戻りしないためにも、なんとか『月光の夏』を毎年このタウンホールで上演できないものか、事務室に戻った私はそう思い、すぐに東演の制作の方にお目にかかりました。
そして今年――北沢タウンホールのステージに『月光の夏』は帰ってきました。一人でも多くの方に観ていただきたい。特に戦争を知らない子どもたち、若い世代の人たちに、「今のぼくたちの幸せは、この夏につくられたのかもしれない」ということを知ってほしいのです。
*
この文章は劇団東演の公演パンフレットに書いたものです。私がこの公演を主催しようと決意した理由はまさにここに書いたとおりです。
おかげさまで3日間ともほぼ満席に近い状態でした。帰途につかれるお客様は一様に心なしか目が潤み、でも満足気な表情を浮かべていらっしゃいました。これだけでも主催した価値があるね……そう言って、一所懸命チラシ配りなどに精を出した事務室の若い職員ともども喜びを分かちあいました。
お客様、劇団東演の出演者とスタッフの皆様、そして北沢タウンホールのピアノがこんなに素晴らしい音色を出せるのだと教えてくださったピアニストの仲道祐子さんに心から御礼申し上げるとともに、来年もぜひ当ホールで公演していただけるようお願い申し上げます。 |